シンポジウム
【英語力の基礎としての語彙学習-いかに習得させ支援するか-】

日時:平成24年3月2日(金) 14:00-17:30(13:00受付開始)
場所:広島大学総合科学部J棟3階 J307号教室
 

主旨:
  外国語学習において,語彙知識は全てを支える基礎と言っても過言ではありません。 応用言語学では,1970年代から語彙の重要性が指摘された後,膨大な量の語彙研究が行われています。 また,近年,コーパス言語学の援用によるデータベースの構築とその分析が可能となり,その研究成果を反映した語彙学習教材が一般語学用教材の中にも多く見られます。 しかしながら,漫然と学習者に語彙リストを提示するだけでは高い教育効果は望めません。 学習者のレベルにあった語彙リストを提供し,語彙学習に対する動機づけを維持することは,外国語教育にとって非常に重要な課題だと言えます。
  そこで,本研究集会では,語彙研究者として著名な,望月正道(麗澤大学),Robert Waring(ノートルダム清心女子大学),鬼田崇作(広島大学)の3名の先生方を講師にお招きしました。 望月先生には語彙サイズの重要性と学習・指導法への示唆について,Waring先生には授業外におけるオンライン語彙学習方法について,また,鬼田先生には授業内における語彙学習の支援について,それぞれ話していただき,今後,外国語教育場面において必要とされる語彙学習の習得とその支援について考えてみたいと思います。

 

「語彙サイズの重要性:学習と指導法への示唆」
望月 正道(麗澤大学 言語教育研究科 教授)
  本講演では,語彙サイズの重要性と学習・指導法への示唆について論じます。 第1に,語彙サイズの重要性ですが,語彙知識は,3つの側面で研究されてきました。 どれくらいたくさんの語を知っているかという語彙サイズの側面,1つの語をどれくらいよく知っているかという語知識の深さの側面,そして,どれくらい速く単語にアクセスできるかという語彙アクセス速度の側面という3つの側面です。 この中で語彙サイズが重要である点について,語知識の深さとの関連と第二言語音韻システムの発達の観点から論じます。 第2に,語彙学習・指導法について考えます。語彙学習・指導は導入・定着・発展で考えます。 導入は、語形と意味を結びつけること,定着は語形と意味の結びつきを定着させること,そして,発展段階は語知識の発展,語彙ネットワークの形成になります。 このような語彙学習・指導を効果的なものにするための方法を考えます。
“A framework for selecting appropriate online vocabulary learning environments”
Robert Waring(ノートルダム清心女子大学 英語英文学科 准教授)
This talk will first present an overall view of the vocabulary needs of learners – receptive and productive as well as language focused and fluency focused activities. We will then examine many of the online resources that can fit this framework from decontextual memorization environments such as Anki, iknow or Quizlet to the more integrated environments such as EnglishCentral and graded reading online. The participants will then be tasked to deciding which ones would best fit their needs.
「”既知語”の習得を促す授業内活動」
鬼田 崇作(広島大学 外国語教育研究センター 特任講師)
  本発表では,学習者が”知っている”と感じている語彙の習得をさらに促す活動について,発表者が日頃の授業内で行っている様々な活動を報告します。 学習者の多くは,英単語の綴りを見てその日本語訳がわかれば,その単語を”知っている”と判断します。 しかし,英単語の綴りとその日本語訳がわかるだけでは,その語を実際に使うことは難しく,語彙習得の観点から見ると,その語を十分に習得しているとは言えません。 本発表では,語彙習得を個々の英単語の音声,意味,統語,綴りなど様々な側面から考えます。 具体的には,音読やディクテーションなど,既に幅広く行われている活動に一工夫を加えることにより,学習者が”知っている”語彙から実際に使える語彙へのレベルアップを図り,学生が取り組みやすい授業内活動について考えます。

 

スケジュール
14:00開会の辞
14:10-14:55講演1「語彙サイズの重要性:学習と指導法への示唆」望月 正道
15:00-15:45講演2”A framework for selecting appropriate online vocabulary learning environments”Robert Waring
15:50-16:35講演3「”既知語”の習得を促す授業内活動」鬼田 崇作
16:45-17:25質疑応答,全体討論
17:25閉会の辞
17:30閉会

 

<会場へのアクセス>
 JR西条駅から広島大学行きのバスに乗車し,広大西口バス停で下車。
  広島大学東広島キャンパスへのアクセス:
  https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/higashihiroshima