シンポジウム
【英語の音声指導-その理論と教室内での実践方法-】

日時:平成27年3月6日(金) 13:30-17:40(12:30受付開始)
場所:広島大学総合科学部 J棟1階 J102号教室
 

主旨:
  グローバル人材の育成が教育現場に対して求められる中,英語をより実践的なコミュニケーションの道具として捉え,「英語の授業は英語で」行うことが求められています。 こうした流れの中で,「音声指導」は重視されているものの,どのように音声指導をしたら良いのかについて,暗中模索の状態にある先生方も多いのではないでしょうか。 そこで,本年度の研究集会は,外国語教育に関する理論面を重視した従来の会から趣を変え,音声指導に関わる理論を学びつつ,教室内での実際の指導方法に力点を置いたワークショップを中心に開催したいと思います。   講師には,音声指導を理論面・実践面から探求しておられる菅井康祐先生(近畿大学),岡田あずさ先生(広島修道大学),大和知史先生(神戸大学)の3名をお招きしました。菅井先生には音読についての理論的な背景をお話いただき,岡田先生にはシャドーイングの効果をお話いただきつつ,その実践を行っていただきます。 また,大和先生には,プロソディの指導をご紹介いただきます。それぞれの先生方から,今までの授業を見直し,今後の授業に活かせる知見と具体的な指導方法が得られればと思います。

 

「リスニング訓練法としての音読のバリエーションとその効果」
菅井 康祐(近畿大学経済学部 准教授)
外国語習得において,音読の効果の重要性については十分に検証されてきている。 しかし,様々な音読の効果や,その心的メカニズムについてはまだ広くは浸透していないようにも思われる。 本ワークショップでは,シャドーイング・リピーティングなどの音読について,それぞれの音読を行っている際にどのような処理が心的に行われているのかを考え,心理言語学的な観点から考察したい。また,それを元に学習者のリスニングの習熟度に応じて,どのような音読訓練を用いるべきなのか,またそのためにはどのような音声を教材として用いるべきなのか提案し,そのための音声編集にも触れられればと思う。
「音声指導法としてのシャドーイングの可能性」
岡田 あずさ(広島修道大学経済科学部 教授)
外国語習得において,音読の効果の重要性については十分に検証されてきている。 しかし,様々な音読の効果や,その心的メカニズムについてはまだ広くは浸透していないようにも思われる。 本ワークショップでは,シャドーイング・リピーティングなどの音読について,それぞれの音読を行っている際にどのような処理が心的に行われているのかを考え,心理言語学的な観点から考察したい。また,それを元に学習者のリスニングの習熟度に応じて,どのような音読訓練を用いるべきなのか,またそのためにはどのような音声を教材として用いるべきなのか提案し,そのための音声編集にも触れられればと思う。
「プロソディの捉え方とその指導」
大和 知史(神戸大学国際コミュニケーションセンター 准教授)
プロソディの指導をどうするか?と考えた時,語強勢や文強勢,リズムにイントネーション,といったようにそれぞれ個別のものとして考えがちです。 本WSでは,それらをできるだけつなげる形で指導することを提案します。 また,プロソディの情報をきちんと把握することは,学習者にとっても,教授者にとっても重要なことです。 教授者が,教材分析の際にプロソディを把握しておくことは,音声を提示する見本になる上で大変重要なことだと考えます。 また,音読やシャドーイングの指導に際しても,「感情豊かに」という指示だけでなくテキスト自体の文脈をきちんと把握した上でプロソディに注意を払った指導の必要があると思います。 WSでは,「談話のイントネーション」を援用することにも触れてみたいと思います。

 

スケジュール
13:30開会の辞
13:40-14:50ワークショップ1「リスニング訓練法としての音読のバリエーションとその効果」菅井 康祐
14:50-15:00休憩
15:00-16:10ワークショップ2「音声指導法としてのシャドーイングの可能性」岡田 あずさ
16:10-16:20休憩
16:20-17:30ワークショップ3「プロソディの捉え方とその指導」大和 知史
17:30閉会の辞
17:40閉会

 

<会場へのアクセス>
 JR西条駅から広島大学行きのバスに乗車し,広大西口バス停で下車。
  広島大学東広島キャンパスへのアクセス:
  https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/higashihiroshima