シンポジウム
【グローバル社会のコミュニケーションと英語教育 -語用論指導の観点から-】

日時:平成29年3月3日(金) 13:30-17:05(12:30受付開始)
場所:広島大学総合科学部 J棟3階 J307号教室
  

シンポジウムの概要:
  外国語でのコミュニケーションにおいて,文法的な誤りは許容されるが,言葉の丁寧さや適切さについての誤り,つまり「語用論的な誤り」は許容されにくいと言われています。 昨今のグローバル化の流れの中で,言語的背景の異なる者同士が英語でやり取りする機会が増えていくことは,想像に難くありません。 そのような異文化間コミュニケーションにおいて必要な語用論的能力がどのように育成されるのかを考えることは,今後の外国語教育を議論する上でより一層重要な観点になると思われます。
  そこで本シンポジウムでは,英語教育における語用論研究者として著名な深澤清治先生(広島大学)と水島梨紗先生(札幌学院大学)をお招きしました。 深澤先生には,語用論研究の理論面について,水島先生には,教室内指導の実践面についてご講演をいただきます。

「言語運用ルールへの気づきを促す中間言語語用論研究」
深澤 清治(広島大学大学院教育学研究科 教授)
  語用論とは,言語を通した社会的交流場面において,場面,状況,相手との人間関係などの影響によって,人がどのような言語運用をするか,またその言語運用が相手にどのような影響を与えるかを研究する分野である。 グローバル化する社会に対応する英語教育を実践するためには,発音や文法の言語形式面の正確さのみでなく,言語使用における適切さも重要であり,語用論能力についての理論的,実証的研究の成果を積極的に取り入れていく必要がある。 本発表では,語用論能力と文法能力の関係,海外留学の効果,意識的指導の効果などに関する中間言語語用論研究の成果を振り返るとともに,今後,lingua francaとしての英語の語用論規範についてもふれたい。
「日本人英語学習者に向けた語用論的指導の課題と可能性 ―言語をとりまく社会文化的視点をはぐくむために―」
水島 梨紗(札幌学院大学人文学部 講師)
  外国語教育において学習者のコミュニケーション能力が重視されるようになってから数十年が経ち,その構成要素の一つとされる語用論的知識の使用や習得に関する研究も,中間言語語用論の分野を中心に蓄積が進められている。 筆者はこれまで日本人大学生のEFL学習者に語用論的指導を行ってきたが,特に指導前の段階では,発音や語彙,文法など言語の形式面についての知識に比べて,発話の機能や社会的・文化的適切さといった側面に関する知識に大幅な不足や偏りが見られる。 本発表では,筆者が取り組んできた英語の教科書分析や授業の実践報告を通じて,問題の背景や指導上の課題を明らかにし,学習者の語用論的知識の向上に向けた可能性を探る。

 

スケジュール
13:30-13:40開会の辞
13:40-14:40講演1「言語運用ルールへの気づきを促す中間言語語用論研究」深澤 清治
14:40-14:55休憩
14:55-15:55講演2「日本人英語学習者に向けた語用論的指導の課題と可能性 ―言語をとりまく社会文化的視点をはぐくむために―」水島 梨紗
15:55-16:10休憩
16:10-17:00質疑応答,全体討論
17:00-17:05閉会の辞

 

<会場へのアクセス – Access>
 JR西条駅から広島大学行きのバスに乗車し,広大西口バス停で下車。
  広島大学東広島キャンパスへのアクセス:
  https://www.hiroshima-u.ac.jp/access/higashihiroshima